地域文化研究の部屋

研究室紹介

趣旨

本来の専門は「日本の古典文学」です。

室町文芸研究の論集『室町連環』(勉誠出版刊)
室町文芸研究の論集
『室町連環』(勉誠出版刊)

 この間、学生を連れて熊本各地の古典籍調査を続ける中で、フィールドワークと地域連携を有機的に接続することはできないか、そんなことを考えるようになりました。各地の文化施設の方々ともご縁ができました。
 そんなところから、研究の社会的還元と地域との結びつき、そして教育の新しい試みをホームページにより発信し、今後の展開を考えてみようと思いました。試行段階でどのようなことになるか判りませんが、このような発信により、地方公立大学における文学部の役割と意義が再認識される、そのための一助とならんことを期しています。
 なお研究の成果や事業の推進にあたっては、熊本県立大学の同僚や、自治体・各種機関の担当者の方々から多大なる援助をいただいたことを特に記し、御礼を申し上げます。

これまでの主な成果①

「古今伝授」研究

文学史の古今和歌集

 水前寺公園成趣園に「古今伝授の間」が伝わる縁から、これまで「古今伝授(受)」及びその周辺の問題について幾つか発表してきました。

・「古今伝授は和歌を進展させたか」(錦仁編『中世詩歌の本質と連関』竹林舎、2012)
 …「古今伝授」とは、そもそも何だったのか? 何のために、どうして続いたのか? 難しい問いを突きつけられた苦闘の結果です。答えは容易には出ません。

・「古今伝授とは何か」(森正人・鈴木元共編著『文学史の古今和歌集』和泉書院、2007)
 …古今和歌集成立1100年を記念して全国的に繰り広げられたイベントの一環。その熊本版の催しから生まれた本です。古今伝授の輪郭を、分かり易く解説したつもりです。

これまでの主な成果②

細川幽斎の研究

細川幽斎 戦塵の中の学芸

肥後熊本藩藩主細川家の祖、細川幽斎の学芸も関心の一つです。

・森正人・鈴木元共編著『細川幽斎 戦塵の中の学芸』(笠間書院、2010)
 …細川幽斎没後400年を記念して、文学・歴史・芸能という多方面からその人物像を描き出そうとした試みです。

これまでの主な成果③

地誌・地域資料の文献学的研究

書物・資料そのものから地域を考えていく、そんな試みも続けています。

・熊本文化研究叢書7『近世天草風俗資料集』(熊本県立大学日本語日本文学研究室、2011)
 …江戸時代の民俗調査の一種である『諸国風俗問状』(名古屋市鶴舞図書館蔵版本)と、天草高濱村からの回答『天草風俗』(東京大学国文学研究室蔵本)等を収め、解説を付しています。

・熊本文化研究叢書9『菊池風土記』(2014)
 …熊本県立大学蔵本(全三冊)の第一分冊の影印です。

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